中国の祝祭日で絶対にはずせない2月頃に迎える春節(旧正月)
この「春節」の時期に、多くの方は家族で時間を過ごそうと、自分の田舎に帰ります。
しかし、中国の国土が大きいため、3日では自分の故郷に帰ることが出来ない方が沢山いらっしゃいます。
ですから、本来の「春節」は旧暦のお正月から3日間ですが、前後1週間ずつ、つまり合計2週間の国民的休みに入ります。
日本も歴史的には中国文化の影響が大きかったので、かつては旧正月を祝っていました。
それが明治維新以降は欧米の習慣に合わせることが増加したため、新暦(太陽暦)の正月を祝うようになったのです。
現在の中国でも新正月は3日間休みになりますが、特別な行事は行われず町の雰囲気はとても静かなものです。
一方、旧正月は他の祝祭日に比較にならないほど重要で、中国人にとって最も大切な時期です。
この時期は1週間休みになるため、離れた土地で生活している人も故郷に戻って家族みんなで過ごします。
国営放送である中国中央電視台(CCTV)では歌合戦が放送され、人気の芸能人が勢ぞろい。まさに日本の紅白歌合戦と同じ雰囲気です。
この時期はスーパーや商店街の店などは軒並み閉店
一見すると休みの日こそ商売繁盛しそうなものですが、この時期だけはあらゆるお店が休んでいます。
都市で働いている人たちが皆故郷に帰ってしまうため働く人がいないという場合もありますが、ホテル・レストラン・百貨店・駅・空港等以外の小さなお店はだいたい閉まっています。
いつもは活気がある商店街もほとんどがシャッターを閉めていたり、外国人の方がその時期に訪れるとあれっ?と言った寂しい雰囲気も感じるかもしれません。
爆竹、特徴的な飾り等中国らしい一面
日本で正月といえば門松や鏡餅を飾りますが、中国の旧正月では「対聯」(ついれん)や「福の文字」などを飾ります。対聯は赤い飾り物で、縁起が良い言葉を綺麗な字で書き、壁や門に貼ります。
きちんと対になっていて簡潔で、精巧な文字で春節を表現しています。
「福の文字」はユニークで、よく逆さまにして貼ります。
逆さにすることを「倒」(ダオ)と発音し、これは「やって来る」を意味する「到」(ダオ)と発音が同じ。
それで「幸福がすでに来た」ということを表しているのです。
そして、はずせないのが爆竹。町ではバンバンと盛大に鳴らされ、凄まじいにぎわいになります。
なお、最近は大気汚染を考慮して爆竹の使用を控えられている都市もあります。
次に重要な祝祭日が、10月1日の「国慶節」
また、中国の創立記念日にあたる「国慶節」は、毎年、旧暦に10月1日から3日間となっています。
この「五、一国際労働節」も、「国慶節」も、「春節」に続く大型の休みとして、これらの日を挟んで、一週間ほどの休みを取る方が多くいらっしゃいます。
いわゆる建国記念日で、1949年10月1日に天安門広場にて中華人民共和国の建国式典が行われ、毛沢東により中華人民共和国の成立が宣言されたことにちなみます。
このときも10月1日をはさむ形で、約1週間が大型連休になります。
つまり中国では、2月頃の春節と10月の国慶節が大型連休になり、日本と同じく「ゴールデンウィーク」(黄金周)と呼ばれています。
現在、経済成長により所得が増えた中国人たちにとって、この時期は国内・海外旅行に出かける絶好のシーズン。
巨大な人口が一斉に大移動するため、あらゆる交通機関がパンクしてしまう様子は、もはや風物詩です。
中国人観光客が休暇中に旅行したい国は…「日本」
実は日本がトップなんです。
これだけ政治的にぎくしゃくしていながら、トップというもの驚異的な事実です。
日本旅行が人気の理由は、有名な観光地、キレイな景色、日本食といったことも大きいのですが、なんといっても一番は「ショッピング」です。
キーワードは「爆買い(ばくがい)」。
春節休みを迎えたこの2月、ニュースでこの言葉を聞かない日はありませんでした。
とくに人気なのは、化粧品、炊飯器、温水洗浄便座(いわゆるウォッシュレット)などで、一人で何十万円と爆買いする人が大勢います。
不況で傾いていた百貨店は一気に売上を回復させ、満面の笑みという感じです。
こうした現象はロンドンやパリでも起こっており、世界中の小売業がどうやって中国人観光客に来てもらおうかと考えている状況です。
これからの時代、中国の祝祭日は世界をも動かすといっても過言ではありません。
その他の休日
労働記念日(5月1日)
また、「五、一国際労働節」も大型の休みです。
メーデー。前後3~6日ほど休む人や店舗が多いです。
親戚で中国人がいますが、だいたいこの時期に遊びに来ます。
名前のごとく、旧暦の5月1日にこの休みが始まります。
つまり、日本のゴールデンウイークにあたる休みです。
端午節(旧暦5月5日)
3日程お休みになります。愛国の詩人・屈原にちなんだ節で、ちまきを食べる習慣があるようです。
この季節「粽」がたくさん売られています。
中秋節(旧暦8月15日)
満月を眺めて祝う祝日です。中国のお菓子「月餅」を食べてみんなでお祝いをします。
地域によって色々な祝い方があるようです。