犬の登録義務化には様々な理由が。
かつての中国で犬は、食肉として飼育されていたり、投機の目的だったことがありました。そうしたことを制限するため、犬を飼うときは登録を義務付け、その習慣は現在まで残っています。なお、これらの義務は犬だけのもので、猫や他の動物にはありません。中国の犬は狂犬病を持っている可能性が高く、その管理のため登録が義務付けられている側面もあります。
登録料は各都市で異なっています。90年代の北京では、犬一頭に対して初年度5000元(約7万円)、2年目以降は2000元(約3万円)かかりました。
それが2003年に条例改正され、初年度1000元(約1万4000円)、2年目以降は500元(約7000円)と大幅に引き下げられました。
上海では住んでいる地域によって登録料が違いますが、基本的には年間2000元かかります。しかも、2011年に条例改正され、一家につき一匹しか飼えないようになりました。
登録料はかつてと比べれば安くなりましたが、それでも大きな出費。きちんと払わないと…
だからといってこれをケチると愛犬の命や安全に関わるので、中国で犬を飼育しようと考えている方は注意をしてください。というのも、公安は狂犬病を警戒し、登録札が付けられていない犬を捕獲しては保健所に移送するからです。その後は、ほとんどが殺処分されてしまいます・・・。
これだけ制限が加えられているにもかかわらず、中国のペット市場は拡大し続けています。経済成長で所得が増えていることと、一人っ子政策の影響から子供の兄弟代わりにペットを可愛がる人が多くなっているからです。
上海市にはペット用品売り場・ペット病院・ペットホテルが完備された巨大なペットショップが登場。さらには、ペット用葬儀サービスまで盛況で、市場のニーズは多様化しています。
2010年にはペット産業の総売上額は400億元(約6587億円)に達しました。