現在もなお日本と中国の間には、政治的な対立が絶えません。
近年、もっとも憂慮すべきは尖閣諸島の問題で、双方とも一歩も引けない状況のため、すぐに解決しにくい状況になっています。これに靖国参拝や歴史認識が加わっているので、事態はかなり複雑化しています。
こうした政治の話は、中国にいるときは極力しない方が無難です。
というのも話をして解決する問題ではないからです。今や「尖閣諸島」や「戦争責任」は、日中両国政府にとって政治的な駆け引きをするための外交カードになってしまっています。これらに振り回されると何も進展しません。
私たち一般市民は、冷静になって旅行したり交流することが、結果的に友好を促進させるでしょう。
なお、中国人が反日教育を受けているとしても、出会いがしらに日本人を糾弾するようなことはありません。ただ、何かのはずみで政治が話題にのぼったときは、中には日本に不快感を示す人もいるので注意が必要です。あえて話題にしない、これが一番です。
また、中国は今も「社会主義国家」であることを忘れてはいけません。事実、言論は統制されており、怖い一面があります。
鄧小平の改革開放以降、資本主義が導入され、表面上は西側諸国と同じようになっていますが、それでも政治的発言・思想には容赦なく介入してきます。にも関わらず、たまに日本人留学生やビジネスマンの中で、日本にいるのと同じ感覚で行動している人を目にすることがあり、心配になります。
海外で「緊張感」をなくして生活することは、自らトラブルを招く結果になります。もし中国で公安当局に拘束されたりしたら、とても面倒なので注意が必要です。
いくつかNGワードを覚えておいた方がいいでしょう。日中間における尖閣諸島、戦争責任、靖国参拝などは触れないに越したことはありません。その他、台湾、チベット、ウイグル自治区など中国内における領土問題。また、文化大革命や天安門事件などの政治事件はタブーです。
面倒なトラブルに巻き込まれないためにも、あえてこれらの問題を話題にしない方が良いでしょう。