日本のメディアにおいて、中国に関するニュースはほんの一部しか取り上げられません
しかも、マイナスな報道が多いので、大多数の日本人は中国の実際の姿を知らないままでいます。
中でも、中国企業が大躍進していることは、ほとんど知られていません。
日本はアメリカの影響が強い国なので、アメリカで話題になってようやくニュースになります。阿里巴巴集団(アリババ・グループ)が2014年にニューヨーク証券取引所に上場したときもそうでした。
調達した資金は250億ドル(約2兆7200億円)にのぼり、上場時の調達額としては世界最大規模。全世界にこのニュースが駆け巡り、日本でもやっとアリババという会社のことが報道されたのです。
日本では無名でも、中国では強大な影響力を持っています。
ネットショッピング「淘宝網」(タオバオ)を運営している企業だからです。このタオバオは、シェア8割というお化けサイト。
中国人のほとんどがこれを利用して、ネットショッピングを行っています。
当サイトでも以前記事を執筆しました。
ソーラーパネルも中国企業が躍進している分野
近年は、エネルギー問題の理由もあり、ソーラーパネルを屋根に取り付ける家庭やオフィスが増えています。実はその多くが中国産なのです。
中でも有名なメーカーは、英利綠色能源(インリーソーラー)。
「YINGLI」のブランドで知られており、世界最大級のシェアを誇っています。
2014年FIFAワールドカップ・ブラジル大会の際は、スポンサーにもなっていました。スタジアム「YINGLI」というロゴがあったのを覚えている人もいるでしょう。
IT分野でも躍進が続いている
ひとつは、「レノボ」のブランドで知られる聯想集団です。
IBMからパソコン部門を買収し、一気に世界企業に駆け上りました。
今では日本でも多くの人が同社のパソコンを使っていると思います。海爾集団(ハイアール)もすでにおなじみの企業です。
冷蔵庫、洗濯機、炊飯器、電子レンジなど、かつて日本のお家芸だった白物家電は、ハイアールを含む中国企業がけん引するまでになりました。
15年ほど前、三洋電機はこのハイアールと提携して、中国でのシェア拡大を狙っていましたが失敗。今やパナソニックに吸収され、会社そのものが消えてしまいました。
時代の変化を象徴するエピソードです。
スマホも急成長しています
華為技術(ファーウェイ)のスマホは、今やドコモ、au、ソフトバンクという主要キャリアで利用されています。
端末のメーカーなんて気にする人は少ないと思いますが、一度自分のスマホの裏面を見てみてください。「HUAWEI」のロゴがあったら、それは同社の製品です。
そして、とんでもない成長ぶりを見せているのが、小米科技(シャオミ)です。
2010年に創業したばかりですが、創業わずか4年でサムスン、レノボ、アップルのシェアを抜いて中国トップに躍り出てしました。
凄まじい偉業を達成し、シャオミは「中国のアップル」、会長兼CEOの雷軍(レイ・ジュン)は「中国のスティーブ・ジョブズ」と英雄視されています。
これらに加えて、中国企業に買収された日本企業も出てきました。
老舗家電量販店のラオックスは蘇寧電器に買収され、今では中国企業です。
それだけに中国人観光客が喜びそうな品揃えを熟知しており、秋葉原の本店は連日、大量のツアー客で大賑わいです。
以上見てきたように、中国企業は世界でも重要なプレーヤーになってきています。
日本のメディアは、もう少しこれらの動向に敏感になってほしいです。
そうでないと、世界の潮流から遅れてしまうことになるでしょう。