中国でも「智能手机」(ジーノン・ショウチー)、つまりスマートフォンが大流行しています。
やはりiPhoneが強いのかといえば、そうではありません。iPhoneが中国市場に進出してきたのは最近のこと。シェアはまだ第6位という位置にいます。
2013年の中国スマートフォン出荷台数を見ると、サムスンが第1位でシェア19%でした。第2位は中国最大のPCメーカーであるレノボ(聯想集団)で11.8%。この2社だけで、1億台以上を出荷しています。第3位がファーウェイ・テクノロジー(華為技術)で10%。このファーウェイの端末は最近では日本のドコモ、au、ソフトバンクにも供給されており、いつの間にか中国勢スマホが世界中で大躍進していることがわかります。
iPhoneのシェアがそれほどでない理由は価格が高いからです。
iPhone 5sの販売価格は5288元(約8万7000円)でしたが、中国にはそれと比べたら遥かに安いスマホが登場しています。そのひとつがシャオミー(小米科技)製スマホの699元(約1万1500円)です。これが凄まじい勢いで売れており、店頭ではまず買えない状況になっています。予約も驚異的な数になっていると言われています。
このシャオミーという企業の名前は、日本ではまだ有名ではありませんが要チェックの企業です。なにせ2013年7~9月ではシェア10位だったのに、10~12月に5位に急浮上したほどの快進撃です。
シャオミーの創業は2010年。わずか5年で「年商100億ドル」に迫る勢いで成長しています。成長の原動力は前述の格安スマホです。加えて、“劇場型”と言われるマーケティング戦略を巧みに展開。シリコンバレーから著名な技術者を呼んで忘年会をしたり、ファン感謝イベントを開催したり、微博などのSNSを使って情報を拡散したりとあらゆることを行っています。
今では「中国のApple」と言われるほど大きな注目を集めています。
「智能手机」(ジーノン・ショウチー)“多機能携帯電話”を意味します。
今や世界の市場に向けて発送されている中国のスマホですが、中でも凄まじい勢いで伸びているスマホメーカーがあります。
それが「シャオミ」(小米科技)です。
何がすごいかというと、設立4年であのアップル中国法人を抜こうとしているのです。
中国IT関連の統計によれば、2013年のスマートフォン出荷台数は、第1位が韓国サムスンで、約2割のシェアを握りました。第2位は中国最大のPCメーカーであるレノボ(聯想集団)。そして第3位はクールパッド(酷派)、第4位はファーウェイ・テクノロジー(華為技術)、第5位はZTE(中興通訊)、第6位はiPhoneのアップルと続きます。そして、第7位に位置するのがシャオミ。2010年に創業したばかりでアップルに迫り、抜こうとしているのです。なぜ、こんなにすごいのでしょうか。
秘密のひとつは創業者にあります。
たしかにシャオミは新興企業ですが、創業者でCEOの雷軍(レイ・ジュン、44歳)は、もともと金山軟件有限公司というIT企業で経験を積んだ技術者でした。この金山軟件有限公司は、実は日本でも事業展開しています。日本の法人名は「キングソフト株式会社」と言い、Microsoft Officeと優れた互換性のあるキングソフトオフィスを販売しています。日本でもかなりのユーザーがいます。
この企業で経験を積んだ雷軍ですが、彼はいわゆる“天才”といえます。なにせ23歳で入社したのに、29歳のときには総経理(社長)に就任しているのですから。その後、Googleやモトローラなどを渡り歩いた後に、シャオミを設立。設立直後から快進撃を続けているのも納得といえます。
理由のふたつ目は、スマホの価格が安いことです。
中国でもiPhoneは人気が高いですが、iPhone 5sの販売価格は5288元(約8万7000円)と中国ではかなり高価です。ところが、シャオミのスマオは699元(約1万1500円)というのもあり、これが凄まじい勢いで売れています。あまりの人気で品薄になり、予約もパンク寸前と言われています。
シャオミは都市部ではすでにサムソンに次ぐほどの人気を獲得しており、しかも、首位との差は僅差のところまで来ています。2014年の統計が発表されるとき、シャオミは確実に中国アップルを抜いていると思われます。
そして3つ目の理由が、“劇場型”と言われるマーケティング戦略。
中国ではTwitterやFacebookは解禁されていませんが、代わりに「微博」(ウェイボー)という名のSNSが大ブームになっています。微博の拡散力は凄まじく、あれだけ広大な中国大陸でも瞬時に情報が行き渡るのです。それでいて無料。
この微博を使いこなせるかどうかで、まさに中国のマーケティングを制するという状況です。
シャオミはこの微博をたくみに使い、新製品を強大にPRしています。
例えば、アンケート企画やプレゼント企画などを呼びかけ、当選者を商品発表会に招待。
その発表会には、スターがゲストで呼ばれており、喜んだユーザーが微博で情報を拡散する、そんな仕組みです。こうしてどんどんシャオミのブラント価値が上がっているのです。
今やシャオミは「中国のApple」、雷軍は「中国のジョブズ」と呼ばれ、大きな注目を集めています。もし日本法人ができれば、やはり日本でも大きな展開をするものと考えられます。