中国の公共バスに乗ってみよう!~日本との違いに驚くヒマもない~

中国人の普段の移動手段として、公共のバスがあります。利用方法は日本と全く同じですが、中国のバスには日本と違った点が沢山あります。

まず、ご存知の方も多いかと思いますが、中国にはバスの時刻表というものがありません。
時間に正確さを求める日本と違って、中国人の感覚で「バスは来るときに来るもの」といった感覚があります。つまり、いつ自分の乗るバスが来るのか分からないのです。

都市部なら一定間隔で運行しているので1本乗り遅れたとしても、2分から5分くらい待っていれば大抵次のバスが来ます。しかし、田舎行きのバスであったり田舎からの出発のバスであれば、一時間に1本、もしくは、午前中に1本、下手をすると、一日1本の割合で出発しているバスもあります。

そのようなバスを利用する際、乗り遅れると大変です。早くからそのバスを待つためにバス停に立っておく必要があります。時刻表が無いので、感覚で待つしかないのです。

中国人の気の長さが最初は信じられないですが、どんどん中国の「適当生活」といったものにあきれてしまいます。そして、多くの日本人は、イライラして待つことになります。

バスを待っている中国人は、意外に呑気なもので、果物を食べだす人もいれば、携帯電話のゲームを楽しんでいる人もいます。こうやって考えると、イライラしている日本人のほうが、何か性格で損しているような感じになりますね。

バスが到着したとしましょう

これで中国の「適当生活」から開放されると思いきや、ここからが本当の戦争です。

定期的に来るバスでも感じることですが、中国人はまず「並ぶ」という単語を知りません。「並ぶ」習慣がないのです。バスの入り口目指して我先にと、ものすごい剣幕の押し合いが始まります。

中国の生活に慣れていない方は、この押し合いに負けてしまいます。つまり、戦争に負けるのです。そんな人は長距離の旅をバスの席もなく、ずっと立ち続けることになります。
中国のバスは日本と違って前のドアからバスに乗り、後ろのドアからバスを降りることになっています。しかし、いったん戦争の幕が上がると、後ろのドアからも下りる乗客を押しのけて乗車しようとします。

こうなると、バスを降りる方も降りることが出来なくなり、どんどんバスの中は満員状態になってきます。なんと効率の悪いこと。並びさえすれば問題は無いのですが、その「並ぶ」という習慣がないために、この戦争はどんどん悪化の一途をたどっていくのです。

しかし、中国の孔子の教えが根強く教えられいているのでバスに乗っている際に、若い人がお年寄りや体の不自由な方に席を譲る光景を見かけることがあります。このような中国人の精神を見ることもできるので、バスに乗っていても悪い気ばかりするわけではありません。

また、田舎経由のバスに乗ると日本では決して考えられない物がバスの中に乗ってきます。
そうです、バスの中は人だけではなく、市場で買ってきた今日の夕飯の食卓にのるであろうアヒルや鶏、そしてお魚までバスに一緒に持ち込まれます。

生きているアヒルが「ガーガー」と鳴いている隣に、おじさんやおばさんが知らんふりしてバスの座席に座っている光景も、また中国らしくて良いものです。

バスに乗ったら

中国のバスは、一定間隔で料金が上がっていく日本のようなバスの運賃システムではなく、始発から終点まで乗り続けたとしても、同じ料金で乗ることができます。

しかも、便利なことにバスカードでバスの料金を払った際には、料金が半額で乗れるシステムもあります。長くその土地に滞在する方は、このバスカードを利用しない手はありません。バスカードは地方によって異なるので、中国全土で共通に使えるカードはありません。そして、これらバスカードを購入しようと思うならば、最初はバスの始発終点駅でカードを購入することができます。一度購入してしまえば、コンビニなどで料金チャージをして乗り続けることができます。

たいてい、バスに乗る前に決められている料金を払ってから乗りますが、市内から少し離れたところに行く長距離バスの場合は、バスの車内に料金を徴収する係に方が一緒に乗り込んでくるので、自分の行く先を告げると料金が伝えられます。このようにバスの中で切符を買うこともあります。

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