中国に電子商取引最大手のアリババ・グループという企業があります。このアリババが、2014年4月に米国株式市場へ新規上場することを発表しました。上場後の時価総額は1500億ドル前後になると試算されていましたね。
これはFacebookやAmazonに匹敵する規模の巨大上場で、世界中から注目を集めています。
アリババは、中国でショッピングサイト「淘宝網」(タオバオ)を運営
「淘宝網」は2003年にスタート。中国ではクレジットカードによる決済がまだ進んでいないため、ショッピングサイトは根付かないと言われてきました。
詳しくは下記URL先にまとめてあります。
何故中国ではクレジットカードが普及しにくいのか?よくわかる中国のクレジットカード事情
しかし、アリババは「支付宝」(Alipay)という独自のオンライン支払いサービスをつくりあげ、これがうまく中国の社会・経済にマッチしたのです。
そこからは破竹の快進撃になりました。2010年時点で商品5億品目、1日当たり平均10億PV、取引高80億円、会員数1億7500万人を超える超巨大マーケットに成長。中国での電子商取引市場の約80%のシェアを独占しています。
創業者でCEOの馬雲(ジャック・マー)は、ソフトバンク社長の孫正義氏と懇意で、ソフトバンクはアリババの大株主になっています。逆に馬雲もソフトバンクの取締役に就任。さらには中国ヤフーを買収して子会社化しており、中国のITサービスでは圧倒的な力を持っています。
淘宝網は、楽天と似たサービスと考えればわかりやすいです。気軽に出店できて、ヒットすれば大きな利益を上げられます。淘宝網で商売を始めて、大金を手にした大学生の話などがよく話題に出ます。
しかし、どの世界も儲かっている人はごくわずか。そのほとんどは利益を上げられず手数料だけ払い続ける状態になっています。結局撤退するユーザーも急増しています。
とはいえ、中国進出を考えたとき、工場を中国に設立するリスクを考えれば、淘宝網に出店した方がリスクは低いです。実際、そうやって日本から中国に向けて商売している人もいます。ただ、成功するためには中国情勢にある程度精通している必要があるでしょう。