中国の大都市では念願のマイカーを買っても、すぐに乗ることはできません。ナンバープレートを制限しており、抽選に当たらなければ公道を走れないためです。その当選率は超狭き門で、新規で取得することはまず無理といえます。これもすべて環境対策の一環です。
現在中国では、月2万台程度しか新規登録車を認めていない
ナンバープレートを制限している都市は、以前は北京・上海だけでしたが、深刻化する大気汚染を改善するため、実施する都市が増えてきています。昨年6月には広州も制限を発表し、現在では北京・上海・貴陽・広州が実施しています。これに加え、新たに8都市が制限を実施すると言われています。具体的な都市名は、まだ発表されていませんが、成都・重慶・武漢などの主要都市が実施される予定です。
中国政府は北京市における自動車保有台数を600万台に抑えようとしており、そのため月2万台程度しか新規登録を認めていません。また、ナンバープレートによって走行できる日を制限しています。
多すぎる自動車の数は大気汚染だけでなく、渋滞も慢性化させています。北京の通勤・帰宅時のラッシュは凄まじく、1時間経ってもほとんど進まないということは日常的です。現在、北京中心区における公共交通機関を使った外出の比率は46%ですが、今後は地上・地下の公共交通機関をさらに建設し、2017年までに52%に高めようと考えています。
どんな政策を取るべきか中国政府も躊躇している
一方、上海市では自動車登録に入札制度を導入しており、登録費用はなんと5万~6万元(80万~100万円)もかかります。下手すると自動車よりも高く、中国の経済成長のいびつさがうかがえる事例です。
環境を第一に考えれば規制を強化したいところですが、このままだと中国の自動車販売は40万台減少すると言われています。すると経済成長にブレーキをかけることになるため、どちらに舵を切ればいいのか、中国政府も躊躇している感があります。