中国ではクレジットカードが普及しづらい。そのことを一番理解しているのは、当の中国人でした。
彼らはその代替策としてデビットカードの方に目をつけたのです。デビットカードで買い物をすると、代金は預金口座から引き落とされ、口座に残高が無ければ使用できません。これなら代金を踏み倒される心配はないわけです。
しかも、中国のデビットカードは、ほぼ全銀行がネットワークされているため、どの銀行のデビットカードでも利用できます。このネットワークのことを“銀行聯盟”略して「銀聯」と呼び、デビットカードのことを「銀聯カード」といいます。銀聯カードによって、中国では根付かないと思われたオンライン決済が飛躍的に発展しました。これは中国政府の努力の賜物といえます。
銀聯設立以前は、各銀行、各地域でシステムやルールがバラバラでした。なんと同じ銀行でも地域が異なれば、決済できないこともあったのです。それを2002年に中国国内の80強の金融機関が共同で銀聯を設立したことで、ルールが統一されました。
現在では、なんと国内外400近くの組織が加盟!
日本、アメリカ合衆国、韓国、タイ、シンガポール、ドイツ、フランス、オーストラリアなど約20カ国の加盟店で利用できます。銀聯カードのロゴには「UnionPay」と書かれており、日本のほとんどのATMで対応しています。中国人観光客は、海外でも銀聯カードで買い物をします。そのため、彼らの旺盛な購買欲の恩恵を受けるために、ホテル、デパート、ドラッグストア、家電量販店、免税店、ATMなどはこぞって銀聯カードに対応するようになりました。
三井住友カードでは、クレジットカード機能を持った「三井住友銀聯カード」をリリースしています。中国の大都市から地方都市まで、約480万店の店舗で利用できるので、中国への出張や観光が多い人は、持っておくと便利です。