不況が長引く日本経済にとって、中国人観光客は“救世主”のような存在ですが、一方でマイナスのニュースも…
いわゆるマナーの問題です。
話す声が大きい、土足で部屋に上がる、列に並ばない、ゴミを散らかすなどなど。
ひどいものになると、「呆れた中国人。コンビニで購入前のアイス食べる嫁、注意した店員を殴る夫」というものまでありました。
これらのニュースを見た日本人は、「中国人って野蛮だな。急にお金持ちになって、ブランドを買い漁って品がないな」と思う人が多かったかもしれませんね…
特に悪い部分がピックアップされて報道されている現実に胸が痛くなるばかりです。
このような偏った報道により、”中国人は常識外れだ!”というイメージが定着してしまったというのは、あるでしょう。
しかし、そう思うことによって、逆に偏狭な考えに陥ってしまう可能性もあります。
まず、私たち日本人もかつて「爆買い」を世界でやらかして、笑いものになっていたことを胸に刻んでおくべきです。
1964年日本で海外旅行が自由化された時、実は日本人も同じことをしていた
当時はまだ1ドル360円の固定相場制で、庶民が海外旅行へ行くことは夢でした。
それが変動相場制になり、1970年代後半になると団体パッケージツアーが登場して、海外旅行が一気に身近になったのです。
抑え込まれていた欲望が一気に噴出したんでしょうね。
日本人ツアー客はハワイ、パリ、ロンドンなどでブランド品を買い漁り、写真を撮りまくりました。
パリのルイ・ヴィトンショップでは整列や入場制限が行われるときがありますが、この制度が導入されるキッカケを作ったのは、何を隠そう日本人の爆買いツアーです。
こうした事実を知っていれば、中国人観光客のことを笑えるはずがありません。
中国人のマナーが悪いというのはある程度事実ですが、文化の違いを理解することも大切
「中国人に土足で部屋に上がられた」という旅館や店舗は多いと思いますが、それもしょうがないんですよ。
なぜなら中国は欧米と同様に、屋内でも靴を履く文化だからです。
家・学校・職場、どこでも靴のまま過ごします。
そのルールが欧米に旅行しても通じるものだから、日本でも同じだと思ってやってしまうわけです。
こうしたことは日本側、中国側の双方に文化が異なることを理解してもらい、よりよく改善していくべきだと思います。