変化するFacebookと中国政府との距離感

世界最大のSNSでも、中国では…

Facebook(中国語では「脸谱(リェンプー)」)は、現在でも中国では規制の対象になっています。

にも関わらず、たまに中国に出張した人たちが、現地から投稿しているのを目にします。

空港や外資系ホテルなど、限られたスペースでは意図的に規制を緩めているのかもしれません。

どうやらFacebookと中国政府との距離感は、少しずつ変化しているようです。

変化の最大の原因は、Facebookの最高経営責任者(CEO)であるマーク・ザッカーバーグ自らが中国を訪問し、共産党幹部らと会談していることだと思われます。

ザッカーバーグCEOとしては、ネット人口が7億人に迫る中国の巨大市場はやはり魅力的と考えています。

中国政府にFacebookを“解禁”してもらいたい?

3月に中国を訪れたときのザッカーバーグ氏は、天安門広場でジョギングしたり、紫禁城を観覧したことをタイムラインに投稿。

親中ぶりを世界に向けて熱烈アピールしていました。

ここまでされたら、中国政府も邪険にできないのでしょう…

なんとなく規制があやふやになりつつあるのは、こうした状況があるからだと思われます。

国内ではFacebookを規制している中国政府ですが、海外向けの情報発信ではフル活用しています。

中国政府、人民日報、中国中央電視台(CCTV)などはFacebookページを開設し、中国に関するあらゆる情報を世界に向けてPRしています。

しかも、それらのページに「いいね」したファンの数は、いまや膨大な数に膨れ上がっています。

2016年現在、CCTV英語版のファン数はなんと2546万人。

これは米CNN(2141万人)よりも400万人も多い数です。欧米の主要メディアでCCTVよりファンが多いのは英BBC(2927万人)だけ。

人民日報のファンも1861万人と、NYタイムズ(1116万人)やウォール・ストリート・ジャーナル(470万人)を大きく上回ります。

ちなみに、日本で最多のNHKは40万人です。

中国メディアのファンの急激な増え方は異常であり、むしろ「事件」といえる

もちろん、それだけ中国に関心を持つ人が増えているのも事実です。

今や世界第2位の経済大国ですし、年間5500万人の外国人観光客が訪れる世界第4位の観光大国。

ただ、それでも中国メディアのファンの増え方は自然なものではなく、作為的に増やしたものだろうとSNS専門家は考えています。

「クリックファーム」と呼ばれる業者を使って、ファンの数を水増ししているというのです

Facebookではこの水増しを「不正行為」として問題視しており、対策チームによる摘発に力を入れています。

ただ、中国での“解禁”を狙うFacebookとしては、不正の指摘や摘発を強硬に行いづらい現実があります。

今後、両社の駆け引きがどうなり、どこが落とし所になるか、世界が注目しています。

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