中国インターネットカフェの普及とその裏側。~約400万人の未成年が「インターネット依存症」~

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中国でインターネットカフェは「網巴」(ワンバー)と呼ばれ、かなり普及しています。

インターネットが登場し始めた15年前頃、パソコンもインターネットの接続料金も高価なものでした。そこで、安価で使えるネットカフェが爆発的に普及したのです。とくに学生の利用が高かったため、大学の周辺に集中してオープンしていきました。日本のネットカフェと異なり、一般的には席と席の間に仕切りはなく、1人あたりのスペースが狭いです。

ネットカフェの利用で一番多いのは、昔も今もオンラインゲーム。

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中国では、プレイステーションのようなテレビに接続してプレイするゲーム専用機は主流ではありません。ほとんどがパソコンで、しかもオンラインゲームを楽しんでいます。

オンラインゲームが流行った背景には、「ソフトでは儲からない」という理由があります。

中国では海賊版が当たり前のように普及しているため、ゲームソフトを販売してもまったく利益になりません。

そこでアカウント毎に課金するオンラインゲームであれば、確実に利益を上げられるというわけです。また、ネットカフェの普及もオンラインゲームを広げるのに一役買いました。

中国のオンラインゲームは凄まじい数がリリースされています。加えて、人気のないタイトルはすぐにサービス停止されてしまうこともあり、全貌を把握することは容易ではありません。

ただ、人気のタイトルにはパターンがあります。ひとつは西洋風のファンタジー世界を舞台にRPG。こうした世界観は日本と同様で人気があります。

有名なタイトルは2007年に発表された「完美世界」(ワンメイシージェ)。
日本でも「パーフェクト・ワールド」として展開されています。

次に人気なのが、中華世界を舞台にしたシミュレーションゲーム。これは『三国志』や『水滸伝』、『封神演義』といった中国古典をアレンジしたゲーム。これも日本と同様に人気のタイトルです。しかも、本場なのでその数はハンパではありません。

その他、金庸の武侠小説をゲーム化したものも人気です。金庸は中華圏では知らない人はいないと言われるほど有名な小説家。彼の作品はアクションが派手で魅力的な登場人物が多数登場するため、ゲームに最適なのです。

RPG、シミュレーション、アクションなど豊富ジャンルでゲーム化されています。日本でもカプコンのグループ会社が2008年に、『ストリートファイター オンライン マウスジェネレーション』というオンラインゲームを発表しました。
『ストⅡ』シリーズでお馴染みのリュウやガイルなどに加え、レイコチュウ、バイチョウフウといった中華風の名前が付いたキャラクターが登場しました。これらは金庸の武侠小説の登場人物で、中華圏のユーザーを取り込むために登場させました。
これに象徴されますが、海外メーカーでも中国人の嗜好を調査した上で制作したゲームは、ヒットする場合があります。

かつてはチャット目的がダントツでしたが、今はパソコンやスマホが普及しているので減っています。

また、以前はビジネス目的で使う人はほとんどいなかったため、WORDやEXCELといったビジネスソフトはほとんどインストールされていませんでした。しかし、最近はオフィス街のネットカフェも増えてきており、ここでは書類を作成したり、ネットで株取引したり、ニュースサイトを閲覧するビジネスマンの姿も見られます。

さて、日本でもネットカフェが犯罪の温床になっているというニュースがありますが、中国でもイメージは良くありません。中国では約400万人の未成年が「インターネット依存症」にかかっていると言われています。とくに郊外や農村ではインターネットカフェの管理が十分でないところが多く、未成年者の溜まり場になっています。

中でも「黒網巴」(ヘイワンバー)と呼ばれる違法店舗では、未成年者を入店させたり、アダルト画像・動画にアクセスできたりと無法地帯になっており、非行や犯罪の温床になっています。

こうした経緯から、最近では未成年者の入店や時間外営業を禁止したり、利用時の実名登録などを徹底させたりして取り締まりを強化しています。

現在、正規のネットカフェは、国と地域の法令・条例を順守することが義務付けられており、違反が発覚すればすぐに閉店に追い込まれます。

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