現代日本の「中華料理」は、「広東料理」の影響を濃く受けている

中華料理といっても、様々な種類に分類されます

5千年の歴史、広大な土地、豊富な素材があるわけですから、ひとくくりに「中華料理」とまとめることは難しいのです。

そこで大別して、北京料理、上海料理、広東料理、四川料理の4つが有名です。

このうち広東料理は、日本で展開されている中華料理に大きな影響を与えています

日本最大の中華街といえば横浜中華街ですが、ここは広東系住民が多く住んでいます。彼らは、横浜が開港した1859年にはすでに入ってきていました。この頃の日本は幕末、中国は清朝末期です。清朝も鎖国をしていましたが、欧米列強の圧力に屈し1757年に広州を開港。これ以降、欧米商人と取引する広州人が増えました。

そして、一部の広州人が通訳として横浜にやってきたのです。欧米の商習慣がわかるのに加え、日本人と筆談ができたからでした。

こうして横浜には広東系住民が増え、現在でも横浜中華街には広東料理店が多くあります。

彼らが日本各地で中華料理を展開していったことにより、「日本の中華料理」は広東料理の影響を強く受けているというわけです。

日本の中華料理は海鮮の旨味を取り入れた物が多いワケ

日本でおなじみのチャーシュー、シュウマイ、ワンタン、ブロッコリー炒め、海鮮チャーハンなどは、広東料理でポピュラーなものです。貝柱、カキ、ヒラメの干物など、海産の乾物のうま味をとりいれ、総じて薄味で素材のうま味を生かす料理が多いです。

また、日本のものは、本場よりも油を抑えています。中華料理の脂っこさを考えると、「あれで抑えているのか?」と思うかもしれませんが、本場はもっとギトギトしています。

そこで、いっしょにお茶を飲む習慣が生まれました。
「油が多い中華料理!お茶を飲むから中国人は太らない?!」という記事でも書きましたがお茶が油を中和して体を壊さないようにしているのです。ですから、中国に旅行に行って本場の中華料理を食べるときは、多めにお茶を飲むぐらいでちょうど良いでしょう。

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