日本の「餃子の王将」の人気メニューに餃子定食があります。大量の餃子に加え、ライスがつきます!ガッツリ食べて満腹感が得られるメニューですが、餃子にライスというこの取り合わせは中国にはなく、もはや「日本料理」と言っても過言ではありません。
餃子という名前でも、日本のものと中国のものは似て非なるものといえます。
中国で「餃子」(ジャオズ)といえば、水餃子のことを指します。
元は東北部(旧満洲)の料理で、満洲民族による清朝成立後に広く華北一帯に普及し、中華料理の代表的な料理になりました。
これとは別に、蒸し餃子もあります。ポピュラーなのは、上海料理を代表する「小籠包」(ショーロンポー)。
薄皮の中に具と共に熱いスープが包まれていて、食べるとスープが染み出てとてもジューシーです。中国の餃子のメニューはとても豊富で、初めて見たらビックリするでしょう。
中に入れる餡(あん)が豚肉、牛肉、羊肉、鶏肉、野菜で細かく分かれているためです。
どれも美味なので、いろんな種類を頼むといいでしょう。
さて、日本でおなじみの焼き餃子は中国では、「鍋貼」(グオティエ)という名前で呼ばれています。元々は残った水餃子を焼いた料理なので、“残り物”というイメージがありました。ただ最近は、台湾の鍋貼チェーン店が中国にも進出したことで、焼き餃子も一般的になりつつあります。また、日本料理店では「日式餃子」という名前でメニューに出ていることがあります。
餃子はその発音が「交子」(子を授かる)と同じであることから、縁起の良い食べ物として珍重されてきました。そのため、中国の家庭では春節(旧正月)の大晦日に年越し餃子を食べるのが一般的です。
なお、中国では餃子を主食として考えているため、同じく主食のライスといっしょに食べる習慣はありません。そのため、中国人から見れば、日本の餃子定食はかなり違和感を覚える食べ方になります。