中華料理は歴史が5000年以上もあり、その奥はあまりにも深いです。
加えて、面積が広大で地域性が多種多様なため、ひとくくりにできません。そこで、実際に中国に住んで見聞きしたものの中で、日本人にあまり知られていない食べ物・飲み物を紹介したいと思います。
町で普通に売っているものから見ていきましょう。
おつまみで…「ヒマワリの種」
日本では食べる習慣がないのでちょっと驚きますが、普通にスーパーで売っています。
道端でボリボリとほおばるオバチャンの姿は、中国ならではの光景です。
レストランのおつまみで出ることもあります。食べてみると、塩味が利いていて普通に美味しいです。
主に軽食として屋台で売られている…「臭豆腐」(チョウドウフ)
繁華街を歩いていると、鼻をつく臭いが漂ってくることがあります。臭いの正体が「臭豆腐」。納豆と同等の臭さを持ち、中国人でも食べられない人はいます。
しかし、臭いのは表面だけで、味はあっさりと美味しいのが特徴です。
植物の汁と石灰などを混合し、納豆菌と酪酸菌によって発酵させた漬け汁に豆腐を一晩程度つけ込んだ物。元々は湖南省の風土食でしたが、近世になって中国各地に伝播しました。
屋台でお馴染みのお菓子…「油条」(ヨウティヤオ)
これも忘れてはいけません。これは中国式の細長い揚げパンです。小麦粉に食塩や重炭酸アンモニウムを加えて、水で混ぜたものて生地を作ります。
しばらく寝かせた生地をのしてから包丁で20~30cmほどの棒状に切って伸ばし、半分に折って、高温の油でキツネ色になるまでさっと揚げます。
中国では、朝食にお粥や豆乳の添え物としてよく食べられます。また、昼過ぎの点心として食べるのも一般的です。
5元(約90円)ぐらいの手頃な価格ながら、美味しいのでクセになることでしょう。
天津の特産品ですが全国的に有名なのが「狗不理」(ゴーブリ)です。
1858年、清朝の時代に天津で創業した肉まん屋が「狗不理」で、そのまま肉まんの名前にもなりました。あの西太后も絶賛したことで有名になり、今も国賓をもてなすときに出される料理のひとつです。
しかも、天津では無形文化財に認定されているほど。現在はチェーン展開しているので、どこでも食べることができます。なんと2011年に池袋店(西武百貨店8階)がオープンしたので、日本でも食べることができます。高級ではあるけど、庶民にも愛されている肉まんの味を、ぜひ試してみてください。
さて今度は、中華料理を彩る豊富な肉を見ていきます。
日本ではほとんど豚・牛・鶏の3種類に限られていますが、中国では羊肉がとても一般的です。
例えば、スパイスを利かせた焼き串「羊肉串」(ヤンロウチュアン)は、とても美味しいです。元々は羊を放牧する内モンゴル自治区や新彊ウイグル自治区に住む遊牧民族たちの料理でしたが、今ではどの地域のお店でも食べることができます。この他、「火鍋」(フオグォ)でも羊肉のしゃぶしゃぶは普通に食べます。
また、レストランによりますが、犬や兎の肉も食べることができます。
火鍋で食べるパターンが多いです。ただ、これらを食べることは、他国から見れば“野蛮”というイメージで映るため、最近では少しずつ減ってきているようです。とはいえ兎の肉は、フランス料理でも一般的なんですけどね。
ちょっとグレードが高いレストランになりますが、蛇も食べることができます。皮のから揚げはとても美味です。蛙もメニューにあり、食感は鶏肉より柔らかいです。
サソリも一部の地域で食べることができます。から揚げにするのが一般的、カリッとしていて美味しいです。