日本人同様、写真を撮るのが大好きな中国人。でも日本人とは違う感覚が…!
それは、“自分が映っている写真”を撮ることが好きということです。
ピースする人、ポーズを決める人、中には寝たりジャンプしたりして写真を撮っています。
ここまでハデな行為は日本人にはなかなかできません。
中国人は自分が大好きなんでしょうか?結論から言うと、そうです。
言い方を変えると、“自己主張が重要”と考えています。
日本社会では「出る杭は打たれる」ため、なるべく目立たないように生きることが利口とされています。
しかし、中国には14億人以上という膨大な人がいます
当サイトでも何回も書いたのですが、こういう社会では、自己主張をしなければ誰からも相手されないという危機感が生まれます。
日本人からみれば、ときに傍若無人に見える行為も、こうした文化が背景にあることを覚えておいた方がいいです。
自己主張にはさまざまな方法があり、そのために中国人は勉強やスポーツに並々ならぬ力を注いでいるわけですが、写真はもっとも手軽で効果的な方法といえます。
なぜ、観光地で自分が映った写真を撮るのか?
それは、その場所に行けたというステータスの証明になるからです。
富士山をバックにピースサインをした写真を撮ったとします。するとその写真は、日本に行ったことの証となります。
「この人は中国でも人気の高い日本に旅行したんだ、それだけの余裕と資産があるんだ」ということを相手に示す絶好のツールになるわけです。
そして、「この人の近くにいれば、日本のことを聞けるぞ」と考える人が周りに集まり、ひとつの勢力が形成されるのです。
どうですか。とても“政治的”ですよね。
日本人には理解しにくいかもしれませんが、こうした政治的要素が日常生活にさえ登場するのが中国社会の特徴といえます。
それだけ、中国は人口が多くて競争が激しいということです。
中国人の多くは無意識でこうした行動をとっており、とくに悪意はありません
ほとんどの人がやっている当たり前の行動です。
しかし、注意が必要なのは、悪意を持ってこういう行為をする人もいるということです。
ビジネスでよくある話ですが、大臣や芸能人と握手している写真を見せる人がいます。
「自分はこういう影響力のある人物たちとパイプを持つ人間なんだ」ということを示すツールとして利用しているのです。写真で人を安心させて、詐欺などを行う人もいるので要注意です。
実際はパイプなどなく、パーティー会場などでたまたま会ったときに、親しそうな笑顔で写真を撮らせてもらっているだけなのですが、写真からはそこまでわかりません。
中国でビジネスをすると、こういう怪しげな人に本当に多く会うので、ぜひ気を付けてください。
以上のことからわかってくるのですが、中国では例え芸能人のサインでもあまり重視されません。写真の方がはるかに重要で、自分と芸能人が一緒に映っていたら最高です。
その写真に価値があるのではなく、その写真を利用して得られる行為に価値を置いているわけです。
これだけ読むと、「中国人ってなんか政治的すぎて、交流しにくいなぁ」と思われるかもしれませんが、これも文化の違いと思って割り切った方がいいでしょう。
(筆者の個人的見解なので全ての中国の方に当てはまるとは限りません。)
余談ですが、中国人の方は高い確率で自分の顔写真をスマートフォンなどの待ち受けにしている気がします。それもこういった背景があるからなのでしょうか。