中華料理はフランス料理などと比べれば、堅苦しいマナーはほとんどないのですが、それでも実はあります
【1】部屋の入り口から最も遠い位置が円卓の上席
この上席に主賓が座り、主賓の人から見て、左、右の順に座っていきます。
【2】着席していきなりナプキンを手にするのはマナー違反なので注意
全員が着席して主賓の挨拶が終わってから手に取り、ひざの上に広げましょう。
【3】回転テーブルには、調味料、お茶の急須、料理の大皿など共有するものだけを置くのがルール
ビール瓶など倒れやすいもの、グラスなど壊れやすいもの、食べ終わったあとの取り皿などは乗せてはいけません。
【4】料理を取る順番は、主賓が一番先です
それから時計回りに順番に取り分けていきます。全員が取り終わるまでは、料理には手をつけないのがマナーです。
また、席を立って料理を取るのはマナー違反なので、必ず座って料理を取りましょう。
さて、中国人の食事といえば大声で話すイメージがありますが…
これは、まったくその通りで、大きなレストランではあまりのうるささで、隣の人の話声すら聞こえないほどです。
日本にはない習慣ですが、これも文化の違いです。
中国では、日本人にありがちな遠慮や静かに食べることこそ、マナー違反なのです。
食事を一緒になってにぎやかに食べる、これこそが最高の礼儀なのです。
ですから、ボイルしたカニ料理などは要注意。
どうしても食べることに夢中になってしまうからです。
“嫌いな人とのデートや食事はカニ料理や鍋料理を選べ”と言われるほどです。
こういうときは、お店の人にひと声かけて、ほぐしてもらうといいです。店の人もこうしたことに慣れているので、手際よくさばいてくれます。
中国ではビジネスにおいても、大事なことが会議室で決まることはほとんどなく、このにぎやかな食事の席で決まることが普通です。
ぜひ食事の重要性を大いに活用してほしいですね。
五千年の歴史とともに、広大な大陸がもたらした世界屈指の中華料理
その奥深さだけで辞典が作れるほどですが、今回は中国人の食事の習慣に焦点を当ててみたいと思います。
日本人から見たら、いろいろと不思議なことがたくさんあります。
まず、なぜ「円卓」なのでしょうか。
とくに、あのターンテーブル。もちろん大人数で食べるのに便利だからですが、そもそもいつから存在していたのでしょうか。
実は、このターンテーブルは日本で作られたという説
作ったのは目黒雅叙園の創設者である細川力蔵。1932年のことです。
目黒区にある目黒雅叙園といえば、結婚式場・レストラン・ホテルが一体となった超一流の複合施設です。
細川力蔵は1931年に料亭として目黒雅叙園を創業しました。
この料亭では日本料理の他、本格的な北京料理も出したりして人気となり、軍人や政治家、さらには庶民にまで親しまれていました。
当初は大きな円卓に何皿も料理を出していましたが、奥の料理を取るには、お客がいったん席を立たなければなりません。
そこで細川力蔵は、テーブルの方を回転させて、お客が立たなくても料理を取れる回転式を考案したのです。
その後、このターンテーブルは日本各地の中華料理店に広まり、やがては中国にも広まっていきました。
ただ、同様の構造のターンテーブル自体は、18世紀のイギリスですでに存在していたこともわかっており、あくまで説の一つになっています。
それでも、日本人が生み出したアイデアが、中国人の食事に欠かせないものになっていると考えると、とても面白いですよね。