何故中国ではクレジットカードが普及しにくいのか?よくわかる中国のクレジットカード事情

絶対に流行らないと思われていた中国ネットショップの事情という記事で少し触れましたが、近年、中国でもクレジットカードが増えていると言われています。

たしかに、携帯やインターネットを通じたオンラインのクレジットカード決済が可能になり、利用者は増えています。中国銀行の発表によれば、累計発行枚数はすでに20億枚を突破しているそうです。

日本で普段使っているクレジットカードは、たいてい5大ブランドのVISA、MasterCard、JCB、ダイナース、アメリカンエキスプレスと提携しているため、そのまま中国で使えます。

しかし、実際に中国で旅行や生活をしてみればわかりますが、使える店舗は大都市のホテルやレストラン、デパートなどに限られています。地方ではカードを使える店の方が珍しいです。

中国では、なぜクレジットカードが普及しにくいのでしょうか?

やはり「クレジット(信用)」を担保することが困難だからです。

クレジットカードを発行する場合、定期収入の有無が問われます。そのために申し込みのときに勤務先を報告します。日本人は中産階級が多いですが、一度勤めた会社を辞めることは稀のため、それが信用の担保となっています。

単に富裕層が増えているだけで、国民全体にカードが普及しているわけではない

中国人は勤務先を変えることをなんとも思っていません。大企業から中小企業に至るまで、転職が当たり前です。これでは勤務先は信用の担保になりません。ですから、収入が豊かな富裕層だけがクレジットカードを持てることになります。

それともうひとつ。日本人からすると信じがたいと思いますが、支払いの繰り延べ、不払いを当たり前のようにやります。大企業でさえ支払いの繰り延べをしますし、踏み倒す人も企業も多いです。この状態でクレジットカードを使えば、すべて不良債権となります。

それほど中国でのクレジットカードはリスクが高いのです。

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