世界的に見れば検索サイトのナンバー1はグーグルですが、2010年の「グーグル事件」もあって、中国では独自のサービスが増えていきました。
現在では、【Google】「谷歌」(グーグル)、【Yahoo!】「雅虎」(ヤフー)などの海外勢に加え、「捜狐」(ソーフー)、網易(ワンイー)などの中国勢がしのぎを削っています。とはいえ、ナンバーワンはダントツで「百度」(バイドゥー)です。中国人がインターネットで検索するときは、ほとんどがこの百度を使っているといえます。
企業としての百度は、2005年にアメリカのナスダックに上場し、世界中から注目を集めました。
創業者で現CEOの李彦宏(ロビン・リー)は、まだ45歳の人物。北京大学を卒業後にニューヨーク州立大学へ留学。複数のシリコンバレー企業で経験を積んだ後に中国に帰国し、2000年に百度を創業しました。中国で受け入れられた理由は、単なる検索だけでなく、さまざまなサービスを展開し、それが人気になったことです。とくにコミュニティツールや画像・動画サービスは若者から人気を集めました。その他、百科事典の「百度百科」もよく利用されています。
百度は2006年に日本法人であるバイドゥ株式会社を設立するが…
日本語による検索サイトを展開しています。とはいえ、日本ではグーグル、ヤフーが圧倒的に強いので、あくまでリスティング広告や専用サービスなどで収益を上げています。
しかし、この専用サービスが日本では度々問題を起こしています。
たとえば、2011年頃、百度は独自のクラウドサービスを開始し、版権がある書籍やマンガをアップロードしていました。もちろん大きな問題になり、すぐにサービスは終了しました。
その他、2013年末には、日本語入力ソフトのバイドゥIMEが入力文字情報を利用者に無断で百度自社のサーバーに送信していることが発覚しました。日本の多くの官公庁や企業がこのソフトを使っていたため、データの流出が懸念されています。良くも悪くも百度は目立つ存在で、“風雲児”という雰囲気を持っている会社といえます。