「中国で暮らしたい!」と思っても、そう簡単にはできません。
改革開放以降、凄まじい速度でオープンになってきましたが、今も表向きは社会主義国。外国人の行動は制限したいのが、中国政府の本音です。いきなり中国に渡って、部屋を借りられるということは、あり得ませんのでご注意を。
「とにかく住んでみたい!」という人は、留学が一番です。
中国の場合、留学生は基本的に学内の寮に住むことになります。
これは外国人を管理するため、義務に近いところがあります。ただ、慣れない外国で住むことを考えれば、学内ほど安全なところはありません。大きな大学になると、学内に雑貨屋、美容室、レストラン、カフェなどを完備しており、とても便利。新生活をするのに最適です。
では、どうすれば中国に留学できるのでしょうか。中国の場合、学位取得を目指して留学に行く人はわずかで、ほとんどは語学留学。数週間の短期から、2~3年の長期まで、期間のバラエティは豊富です。
手続きは、自力で願書を作成しても問題ありませんが、書類に不備があると何度もやり直す必要があるので、斡旋業者に任せてしまうのが便利です。
留学期間によってビザの種類は異なり、30日以内は旅行ビザ(Lビザ)、180日以内は訪問ビザ(180日Fビザ)、181日以上は留学ビザ(Xビザ)となっています。
意外に快適な中国生活ですが、異国だということを忘れてはいけません。
以上見てきたように、意外に快適な中国の留学生活。中には羽目をはずして問題になる留学生もいます。何のために時間とお金を費やしてまで中国に来たかを自覚しない人は、どの国に行っても、日本に戻ってもうまく行かないでしょう。
次に具体的な生活スタートのアドバイス。まず、銀行に預金口座を作りましょう。
留学生の学生証とパスポートがあれば、通帳を作ることができます。日本から持参した大金をバッグの中に入れっぱなしでは、いつ盗難に遭うかわかりません。安全面からも銀行口座はとても便利。必要になったときに、通帳といっしょに渡されるキャッシュカードを使えば、町や学内にあるATMから現金を下ろすことができます。
また、海外で生活して初めて円安・円高といった為替相場の重要性に直面することになります。円安のときに日本円を両替すれば、手元に来る人民元は目減りします。相場を見極めながらうまく両替のタイミングを掴んでください。以前の中国なら、銀行やホテルよりも高いレートで両替してくれる非正規の両替商がありましたが、都市部では少なくなっているようです。
社会人として・仕事としての生活にも触れておきます。
中国で働く場合、大別して日本企業から派遣されて駐在する場合と、現地法人に採用される場合があります。どちらの場合にも就業ビザ(Zビザ)が必要です。就労地を管轄する地方政府によって提出書類に違いはありますが、一般的な申請書類は、パスポート、証明写真一枚(3×4cm)、被授権単位査証通知表オリジナル(中国現地の地方政府から発行されたもの)、外国人体格検査記録の表紙のコピー(国公立病院や、指定病院で診察が必要)、外国人就業許可書、査証申請表などです。
手続きについては、就業先の企業、JETROなどに問い合わせするといいでしょう。
企業人になると、生活スタイルがそれぞれ大きく異なるので一概に言えませんが、人によって中国がますます好きになる人と大嫌いになる人に分かれます。
とくに希望して来たわけではない駐在員にとっては、中国生活はある種の苦行になってしまいノイローゼになる人も。せっかくの機会と考えて、うまく付き合う方法を見出した方が無難だと思います。