経済成長のためには自動車販売は欠かせない。しかし、環境のためには規制もしなければならない。その双方に効果的なのが、ハイブリッド車(HV)、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHV)といったエコカーです。そのため、中国では日本以上にエコカーへの注目が高くなっています。
とはいえ、車両価格が高いことがネックです。そのため、中国政府はエコカーの購入補助制度を実施しています。この制度は環境対策と次世代車育成のため2010年に導入しました。当初は2012年末までの3年間としていましたが、大気汚染の悪化もあり2015年末まで延長する方針です。乗用車にはEV(1回の充電で250km以上走れる車種)で最大6万元(約100万円)、PHV(電気だけで50km以上走れる車種)は3万5000元まで補助されます。さらに燃料電池車は一律20万元も補助されます。
中国政府は2015年までにエコカーを50万台販売する計画を立てている
現在まだ約2万台程度に留まっており道のりは険しいといえます。中国市場でいち早くハイブリッド車(HEV)を展開していたトヨタ(プリウス)やホンダ(シビックハイブリッド)も、販売が伸びずに苦戦しています。それでも、深刻な大気汚染がエコカーの商機ととらえ、普及への挑戦を続けています。トヨタは広州モーターショーで、ハイブリッド車や電気自動車のコンセプトカー3台をメインステージに据えたほか、プリウスを始めとするハイブリッド車の技術展示を行い、積極的にエコカーをアピールしました。大学との共同研究なども行っています。
今のところ中国でのエコカー普及はまだ先のことに感じますが、日本でも急速にハイブリッド車がブレイクしたことを考えれば、あるタイミングで普及が加速することは十分考えられます。