報道される事のない事実。中国政府の環境対策

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もうひとつ報道されない側面は、中国もやたらめったら環境を破壊しているわけではないということです。彼らも死活問題なので、環境対策は最重要課題として取り組んでいます。しかし、開発による破壊のスピードがそれを上回っているのが現実です。やはり、豊かさへの執着は、人間である以上止められないといえます。

中国政府は、2012年の中国共産党全国代表大会で、これまでのように成長路線を優先し続けるのは困難で、環境との共生を図らなければ混乱を招くといった内容を発表しています。事実、最近の中国は大気汚染だけでなく、テロ活動も発生しており、国民の不満が政府に向き始めています。

今年の10月に中国政府は、環境対策費として50億元(約800億円)を拠出する方針を明らかにしました。具体的な資金について明言したのはこれが初めてで、国内・国外へ環境対策をアピールする狙いがあると見られています。

対策の対象は、北京市、天津市、河北省、内モンゴル自治区、山西省、山東省。今年度が終わった時点で実施状況を確かめ、成果を上げた地方を優先して資金支援するとも発表しています。現在、中国政府が重視しているのは河北省。なにせPM2.5の発生源である石炭を大量に消費する火力発電所や製鉄所が集中しているからです。主要な汚染都市のワースト10の中に7市が入るほど最悪の状況になっています。隣接する首都・北京の汚染がひどい理由がこれです。

地方都市が独自に環境対策に取り組んでいる例もあります。

浙江省安吉県は、急速な経済成長によって、豊かさと引き換えに川の水質が最悪レベルになりました。

その後は、重工業から観光業を優先することに転換。さらに、08年から1億元(約16億円)を投じ、果樹や野菜の農園や竹林などからなる「エコ村」を立ち上げました。これが「中国で最も美しい農村地域」と評判になり、上海市などからの観光客が増加し、成長も維持できています。

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