日本人が訪れてももちろん大丈夫
江蘇省の南京は、省都でありながら進出している日本企業、住んでいる日本人の数が極端に少ない都市です。やはり1937年の南京事件いわゆる南京大虐殺が大きな理由でしょう。
日本人は無意識に罪悪感がありますし、反日感情が高まったら真っ先に標的にされそうです。
しかし、現実的にはそういったことはありません。
実は南京市としては、日本人観光客や日本企業にもっと訪れてほしいと思っています。
しかし、日中関係が政治的にギクシャクする度に、それがうまくいかないという状況が続いています。
ただ、私たち一般市民は、そんなことを気にせずに旅行してみることをオススメします。
南京は、実は魅力的な観光地なのです。
南京は、西安、北京と同様に首都が置かれた数が多い都市です。
まず、『三国志』で有名な呉の孫権が3世紀に「建業」と称してここに都を置きました。
写真はwikiより
孫権の陵墓は「梅花山」というところにあります。その名の通り、梅の花が美しく咲き誇る名所です。
そして、東晋、南朝の諸王朝が南京に都を置いた後、1368年に明を建国した朱元璋(洪武帝)によって首都が置かれました。
朱元璋の陵墓である「明孝陵」は世界遺産になっており、孫権の陵墓がある梅花山のすぐ近くなので合わせて見るといいでしょう。
そして「総統府」を訪れれば、その後の南京の歴史がわかります。
ここは1853年に太平天国の乱を起こした洪秀全が“首都”と宣言し、政府として置いた建物です。
反乱は鎮圧されますが、その後1912年、辛亥革命で清を倒した孫文によって中華民国臨時政府とされました。一時、中華民国の首都は北京になりますが、1927年に蒋介石によってまた南京が首都になり、このときも総統府として機能しました。
この総統府は約9万㎡に及ぶ広さで、孫文や蒋介石の執務室などが再現され、見応え十分です。
南京を巡る政治的な問題はすぐに解決しませんが、まずは旅行してみたらいかがでしょうか。
さまざまな情報を知ることで、新しい扉が開けると思います。まさに「旅行は友好交流の第一歩」です。東京(成田)・名古屋から直行便が出ています。