『喜羊羊と灰太狼』中国の大人気アニメは世界に展開!

画像は百度百科より。

中国で大人気のアニメ『喜羊羊と灰太狼』

日本ではまったく報道されていないので知っている人はいませんが、中国で大人気のアニメがあります。それが『喜羊羊と灰太狼』(メエメエちゃんとオオカミ君)。
可愛らしい羊と狼のキャラクターたちが登場する子供向けの内容です。ただ、これが大ブレイクを起こしており、日本の『妖怪ウォッチ』に匹敵するムーブメントと言えば、その凄さがわかるでしょう。

たかがアニメされどアニメで、この作品から現代中国の様子が見えてくるのです。

簡単なあらすじ

狼たちからの襲撃を逃れるため、羊の群れは「青青草原」まで移動し、村を作りました。
ここで500年ほど平和に暮らしていましたが、ある日狼の灰太狼(ホゥイタイラン、オオカミ君)がやってきて騒動を起こします。

本来、腕力では圧倒的に強いはずの狼の灰太狼ですが、これが絵に描いたようなドジ。

一方、主人公の喜羊羊(シーヤンヤン、メエメエちゃん)は、少々臆病ですが、正義感が強く友達想い。毎回、機転を利かせて灰太狼の悪巧みを退け、ズタボロにします。やられた灰太狼が、最後に吐く捨て台詞「必ず戻ってくるからな!」は、まるで『ヤッターマン』のドロンジョ様のよう。

当然ながら、これまで放映されてきた日本を含む各国のアニメを参考にして制作しているでしょう。どこかで見たシーンが結構出てきます。

本作が初めて世に登場したのは2005年と結構昔

この頃から中国政府は、国産アニメの発展に力を入れていました。日本政府も最近になって、「クールジャパン」戦略を打ち出し、日本のアニメなどを海外に輸出しようと力を入れています。

こういったことを中国政府も20年ほど前から着手していました。ただ、すでに世界的な評価を得ている日本のアニメと中国では比較になりません。中国は、ほぼゼロからアニメ作りに力を入れてきたのです。

なぜ、中国政府はそこまでアニメ制作に熱心なのでしょうか。

それはやはり日本のアニメの影響が巨大だからです。

『スラムダンク』、『ドラゴンボール』、『NARUTO』、『ONE PIECE』などなど、一種の敵国とも言える日本のアニメ文化に中国の若者や子どもはどっぷり浸かっています。これではいけない、中国も独自にこうした文化を確立しなければならないと焦ったのです。

その象徴として、全国の大学などにアニメにかかわる学科を次々と設置してきました。ある統計によれば、中国の全高等教育機関の75%にアニメ関連の学科が設置されているほどです。そうやって半ば無理やりクリエイターを育て、今に至るわけです。

とはいうものの、いきなりヒット作が出るわけではありません。

これまでずっと日本のアニメやディズニー作品が、国産アニメよりも人気がありました。『喜羊羊と灰太狼』も登場したときは全国放送でなく、それほど大きな注目を集めていませんでした。しかし、口コミなどで次第に人気が出てきます。やはり内容がしっかりしています。

単に海外の人気作品をパクッたものではありません。

また、子供向けながら、ストーリーは普遍的な教育内容を盛り込んでおり、大人が見ても楽しめます。
その後は全国放送が始まり、大ブレイクを果たしました。

これまで7本の映画が作られ、キャラクターグッズも売れに売れ、まさに社会現象です。2009年のときは『レッドクリフPartⅡ』よりも人気があったほど。

2010年にはディズニーと契約を結び、海外展開も発表されました。今後は日本でも『喜羊羊と灰太狼』を見る日が来るかもしれません。
いずれにしても、中国は短期間で海外展開させるほどアニメ制作の実力を伸ばしたということです。

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