2人に1人は喫煙者!中国のタバコ事情

ちょっと前まで、中国は“タバコ天国”といえるほど、多くの人が吸っていました。

男性のほぼ6割が喫煙をしており、挨拶代わりにタバコを1本差し出すことが“礼儀作法”のようなものでした。実際、中国は世界最大のタバコ生産国であり、消費国です。

「中南海」「紅塔山」「双喜」といったブランドが有名ですが、それ以外に地域限定のタバコが多く種類は膨大です。中国でタバコは街頭の売店で売られています。最近はコンビニが増えてきていますが、まだまだこの街頭売店が主流。売店にはズラッとタバコが揃っており、その数に驚きます。

お酒と同様にタールも高いものが多く、平均で16mgはあるでしょう。1mgのタバコが人気の日本からすると考えられない高さです。タールが最も低いタバコは「中南海」の3mg(8mg、10mgなどもある)。「中南海」は中国で有名ですが、輸出されているので海外でもメジャーです。日本でも一時期、“漢方健康タバコ”として自動販売機で売られていました。

現在は中国でも少しずつ禁煙の動きが出てきました。

これまで中国の喫煙率はとても高く、世界の3分の1を占める約3億5000万人(2010年5月現在)が喫煙しています。そして、毎年約100万人が喫煙に関連する疾病で死亡している状況です。ただ、2008年の北京オリンピックを機に、流れは禁煙化の方向に傾いています。
オリンピックの頃は、「北京五輪は無煙五輪に!」というスローガンが町に掲げられていたほどです。飲食店でも禁煙エリアを設ける店が増え、ポイ捨てや火の始末などにも厳しくなりました。これらは10年前には考えられなかったことです。

最後にタバコのタブーについてちょっとしたトリビア。人のタバコに火を点けてあげるときは2回まで。3回点けてしまうと「三火」(サンフオ)となり、これが「友と別れる」という意味の「サンフオ」と同じ発音になってしまうためタブーとされています。

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