中国の学校で反日的な教育が行われているのは事実
戦時中、中国大陸を侵略したこと、虐殺があったこと、人体実験などを行ったことなどは教科書に書かれています。
また、9月3日は「対日戦勝記念日」に制定されており、この時期は「反日ムード」が最も高まります。
しかし、現在の中国人が「日本憎し、許すまじ!」と思っているかというと、そのトーンは低いといえます。
では、なぜそうしたイメージが形成されているのでしょうか?
それは、やはりメディアの影響が大きいでしょう。どの国のメディアも、真実を伝えるよりも、“おもしろ、おかしい情報”、“国家にとって都合がいい情報”を伝える傾向があります。
「中国人=オール反日」というのは、日本のメディアのお家芸です。
おかげで、相当多くの日本人が、「中国人は日本のことを嫌いだ」と思い込んでいます。
一方、中国のメディアも「日本人=悪人」というイメージを精力的に伝えてきました。
戦時中を舞台にした中国ドラマを見ていると、必ずといっていいほど、悪人の日本人が登場します。粗暴で容赦がない、おまけに剣道や空手をやっているステレオタイプの日本軍人。
それをこてんぱんにやっつけて、めでたしというストーリーです。
ただ、このタイプのドラマも最近は行き着くところまで行き着いてしまいました。ついには、空を飛んだり、目からビームを出す日本軍人まで登場。
「これって、ギャグだよね」とほとんどの中国人が思うようになり、ドラマの影響を受けた反日はトーンダウンしてきている状況です。
現在の中国人にとって、日本は憎しみの対象というよりは、憧れの方が強いかもしれません。
中国も今やGDP世界一の経済大国
北京や上海といった大都市では、平均的な日本人を遥かにしのぐ富裕層も多数登場しています。
しかし、全体的に見れば、まだまだ発展途上。
急激に発展したために社会のひずみも大きく、政治の汚職や爆発事故など不安要素は数えきれないほどあります。
そこへ行くと、日本はキレイで整然としている社会に見えるのでしょう。
とくに、高品質のハイテク製品はお土産としてかなり喜ばれることもあって、日本に旅行した際は例の“爆買い”につながるわけです。
加えて、若い中国人は日本のマンガやアニメが大好き。マンガの影響で日本語を学び、日本に留学に来ているという中国人はかなりの数に上ります。
以上のことを考えれば、中国人が日本を嫌いと一元的に考えるのは、誤解といえます。
彼らとは、変な偏見や過去の罪悪感などを持つ必要はなく、普通に交流するのが一番です。
国家間に問題が発生した場合はアブナイ
とはいえ、日本と中国の国家間でデリケートな問題が発生したときは、一気に反日ムードが高まりますので要注意です。尖閣問題がいい例です。
中国は共産党による一党独裁政権なので、世論をコントロールするやり方は日本の比ではありません。
2012年、尖閣問題がこじれにこじれて起こった反日デモは、中国全土に拡大するほど最大規模のものでした。当然、民意が自然に起こしたデモではなく、中国政府による官製デモであることは誰の目にも明らかです。
こういう状況のときの中国はシャレにならないほど危険なので、間違っても旅行しないこと。中国内にいる場合は、外を出歩かないなど自衛が必要です。