4つの直轄市のひとつである上海は、建国以来、中国の経済をけん引してきました。
そして今では、世界を代表するビジネス都市に成長を遂げています。中国都市別GDPは2兆101億元(約31兆円)で、首都・北京を抜いて第一位です。日本企業も8,155社(2010年末)と最も多く進出しています。
当然ながら、留学生・ビジネスマンを含めて、日本人が最も多く住んでいる都市です。
歴史的に注目されるようになったのは、アヘン戦争(1840年)の頃から
イギリスと清によるアヘン戦争は、圧倒的な武力を持つイギリスの勝利に終わり、1842年に南京条約が結ばれ、上海が開港されました。これによってイギリスやフランス、さらには日本やアメリカなどの租界が形成されていきました。
1865年にイギリスが香港上海銀行(HSBC)を香港に開設し、上海で営業を開始すると、欧米の金融機関が続々と上海に進出しました。このとき誕生したHSBCは今も存続し、世界最大規模の金融機関に成長しています。
1930年代には上海はアジア最大規模の金融街となり、ナイトクラブやショービジネスが繁栄しました。当時のきらびやかで怪しい上海の魅力は、「魔都」あるいは「東洋のパリ」と呼ばれました。
こうした歴史的経緯があるため、天津と同様に今も欧風建築が多数残っています。
とくに「外灘(ワイタン)」には欧風建築がズラリと並んでおり、ライトアップされたときの夜景は素晴らしいものがあります。
上海のシンボルになっている「東方明珠テレビ塔」も定番です。高さは467.9mで、東京スカイツリーが登場するまではアジア第一位でした。展望台からは上海の街並みが一望できます。
ビジネス街のイメージが強い上海ですが、歴史的名所もあります。
代表的なものが「豫園」(よえん)です。明代につくられた庭園で、各所に中国式建物が建てられています。
その周りには豫園商城と呼ばれるショッピング街があります。ここで上海名物「小籠包」(ショーロンポー)を食べるといいでしょう。上海式の水餃子といった感じで、中には濃厚肉汁が入っています。
上海は重要都市だけあって、東京(羽田・成田)・大阪・名古屋・札幌・仙台・茨城・新潟・富山・小松・静岡・岡山・広島・高松・松山・福岡・佐賀・長崎・鹿児島・那覇から直行便が出ています。