中国版デビットカード「銀聯カード」
インバウンド事業に関わっている人で銀聯カードを知らない人は存在しません。
そうでない人でも、最近はよく耳にするようになりました。
個人資産の信用が担保しにくい中国では、クレジットカードが普及しづらかったのですが、デビットカードであれば自分の口座から引き落とされるだけ。
とてもシンプルですし、使いすぎて焦げ付く心配がありません。
そのため、あっという間に中華圏で普及しました。「銀聯」とは「銀行の連合」の意味。
さまざまな銀行がネットワークして使えるようにしたため、銀聯カード1枚あれば中華圏のほとんどのお店やホテルでキャッシュレスOKです。
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そして、中国人観光客の爆買いに対応するため、他国の免税店・ホテルもこぞって銀聯カードに対応させることにしました。
これのあるなしで、売上がまったく異なるので、店舗にしてみたら死活問題です。
今や銀聯カードは、世界を動かすまでになっているのです。
中国に接点のある日本人にとってメリットがデカすぎる銀聯カード
ところで、銀聯カードは中国人だけに有用だと思われていますが、中国に接点のある日本人にとってはかなりお得なカードです。
【メリット1】中国のほとんどでキャッシュレスOK。
旅行やビジネスで中国を訪れる人にとって、このメリットは大きいです。
なぜなら、中国は最高額紙幣が100元だからです。
高額の買い物をする場合、札束を持つ必要があり、危険極まりないのです。銀聯カードは安全対策にもつながるわけです。
【メリット2】両替レートがお得。
これは正式にアナウンスされているわけではありませんが、通常の現金で買い物するよりも総じて両替レートがお得です。
カードの発行を普及させるための戦略なんでしょうか。
ただ、正式サービスではないので、いきなり普通に戻る可能性があります。
銀聯カードは日本でも作れる!
さて、中国に口座を持っていない人が銀聯カードを作れるのか、という疑問があると思います。実は、日本の口座から日本円で引落しされる銀聯カードもあるのです。
三井住友銀聯カードやMUFG銀聯カード、JALアメリカン・エキスプレス銀聯カード、ANA銀聯カードなどがあります。
今はそれほど多くありませんが、今後増えていく可能性が高いです。
MUFG銀聯カードと三井住友銀聯カードはどう違うか?
MUFG銀聯カードは、MUFGカードを所有している人が対象です。
持っていない場合は、MUFGカードも作る必要があります。ちょっと手間がかかりますね。年会費も、2つのカードを合わせると最低2000円かかります。
一方、三井住友銀聯カードは三井住友VISAカードを所有していない人でも申込可能です。
ただ、MUFG銀聯カードは1000円の買い物で2ポイント(10円相当)のポイントが付きます。対して、三井住友銀聯カードは1000円の買い物で1ポイント(5円相当)。
ポイントで見れば、MUFG銀聯カードの方が2倍もお得です。
高額の買い物がある人にとっては、こっちの方が断然いいです。
ただし、銀聯カードにも当然デメリットがあります。利用時の海外事務手数料が高いのです。銀聯カードの手数料は2.5%。それに対してVISAとMasterCardは1.63%、JCBは1.6%、アメリカン・エキスプレスは2.0%です。
ですから、クレジットカードが使える店舗では、そちらを選択した方がいいでしょう。